参考資料 4 田野村誌

書名 著者名: 出版者: 出版年:

川根地区は昔、田野村という地域に属していました。

田野村の郷土資料を集めたものが「田野村誌」です。

第16編 名所・旧跡

三 からつ山

本村の北端、徳田村との村境近く、県道の北側になだらかな禿げ山がある。
これが通称「唐津山」と呼ばれ、その東部山麓には藩政末期「川根焼」の焼かれた窯跡があり、附近一帯には、沢山の焼き屑や破片が散乱している。
窯跡附近の「皿山屋敷」という穂ノ木も、この川根焼や窯元の屋敷に関係のあるものとして面白い。
川根焼は、またの名を「古田焼」といわれ、代官の保護を受けて行われていた所から、「御陣屋焼」あるいは「代官焼」とも呼ばれ、技術はやや劣るが、絵付け等の技巧はなかなか優れたものも見受けられ、主として、皿類や茶碗・徳利・盃・瓶・鉢などのような日常雑器を焼いていたようである。
また陶土は、勿論この近くのものも使われていたであろうが、古老の伝える所によると、遠く臼坂村「くにぎ堂」から馬の背によって運ばれていたという。
明治維新以降、代官所の廃止に伴ってその保護も止み、窯業の発達など経営上の困難から自然に衰微していったものであろうが、明治20年頃まで川根に住んでいたという窯元三浦某の墓がすぐ近くに建てられている。