場所・駅 |
|
尚文会版 |
|
|
大和田版 |
横河原線
久米 |
31 |
乗りかへ行けば久米の驛
櫻に名ある日尾の宮
平井の驛も過ぎぬれば
遙かに香(にお)ふ梅の本 |
|
8 |
立花出でて久米の駅
名高き神社仏閣は
日尾の八幡三蔵院
四国霊場西林寺 |
|
|
|
|
|
|
32 |
績(いさな)は梅とかぐはしき
久米部小盾(くめべおたて)の奥城(おくつき)は
此處に残りて播磨塚
小松の緑色ふかし |
|
|
|
|
|
|
|
石鎚山 |
33 |
櫨(はじ)の林を分け行けば
四國山脈かすむなり
石鐵(いしづち)颪(おろし)さむき日は
紅葉の錦きても見ん |
|
|
|
|
|
|
|
田窪 |
34 |
田窪驛の南には
征南将軍満長(みつなが)の
宮の御墓もありとかや
露けき岡のその上に |
9 |
送り迎える程もなく
平井田窪打ち過ぎて
片手の薬師浮島の
社も跡になりにけり |
|
|
|
|
|
津吉町 |
35 |
袖も袂も打ち薫り
秋は乙めも遊ぶなる
松茸山に名の高き
低き津吉も程近し |
10 |
津吉上松松茸の
産地とかねて音に聞く
処はあれぞあの山ぞ
秋は来て見ん打ち連れて |
|
|
|
|
|
横河原
川内 |
36 |
汽車は止りぬ横河原
音に名高き瀧つせは
徒歩(かち)よりゆかん川の内
あはれ探らん友もがな |
11 |
終点駅の横河原
おりて進めば讃岐道
夏白糸を繰り出だす
白猪唐岬(からかい)滝近し |
|
|
|
|
|
郡中線 |
37 |
下りはゆるき勾配に
帰りも早し外側驛
半日下車の便あれば
休みて行かん米港(こみなと)へ |
|
|
|
|
|
|
|
余戸駅 |
38 |
余土驛下りば菅公(かんこう)の
今出づるかと宣(のたま)ひし
今出のかすりにおこしたる
かな女の墓も遠からず |
15 |
郡中線は松山を
出でて余戸駅出合駅
余戸には履脱(くつぬぎ)天神と
日招(ひまねき)八幡名も高し |
|
|
|
|
|
出合 |
39 |
石手重信出合川
鐵橋渡る音高し
戦(おのの)く人も数多し
路(みち)は堅固とききつれと |
16 |
出合は石手重信の
二流出で合う処にて
河原は白く水清く
青きは岸の松林 |
|
|
|
|
|
|
|
|
17 |
夏は涼みに秋は月
柳の花の散る頃は
鮎釣る人の影見えて
景色ぞあかぬ四つの時 |
|
|
|
|
|
松前 |
40 |
松前の驛に近づけば
心して見よ西の手を
玉垣白く松青し
義農の墓は此處なるぞ |
18 |
松前の港賑わいて
妻も乙女も朝毎に
いただき出づる御用櫃(びつ)
売り行く魚(うお)は何魚ぞ |
|
|
|
|
|
|
41 |
昔の城の跡とへば
答ふる里の童子(わらわ)あり
昨日習ひし學校の
歴史の話そのままに |
19 |
松前の城は田の中に
埋もれて跡は知らねども
しるきは義農作兵衛の
誉れを残す墓所(はかどころ) |
|
|
|
|
|
|
郡中
五色浜 |
42 |
郡中濱におりたちて
われも拾わん五色石
石に因(ちな)める彩濱館(さいひんかん)
煙は迷ふ硫黄灘 |
|
20 |
砂糖の出づる地蔵町
過ぎて下車する郡中の
浜は五色の名も高く
一望はてなきわたの原 |
|
|
|
|
|
|
|
43 |
此處住吉と思へども
限れる日数はや盡(つ)きぬ
佐田を枕にふす宵の
夢やいづこに通ふらん |
|
|
|